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Sファイル

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「ほう、ようやく終わりましたか」
「ええ、村長。ご協力ありがとうございました。すばらしい発見です!私どもも、興奮しておりましてな。ウェポンが、あれほど巨大で美しいものだとは、思いもしませんでした」
トーマスは、夢見るように、言葉を紡ぐ。
「それは、それは…ところで、どうやって運ぶのですかな?」
「輸送機で運ぶつもりでしたが、あれほど巨大で重い物体を長距離で運ぶのは無理でしょう。一旦、数機の輸送機で吊り上げて海まで運んだあと、そこから船で運びます」
「さようですか。これで村も平和になり申す」
「ところで…今日は皆さんの姿が見えませんな。村長以外のお方を見かけませんが…」
「ウェポンは恐ろしい存在ですじゃ。皆おびえますのでな。万が一に備えて、避難させ申した。わしも今からそこへ行くつもりじゃ。失礼ながら、お見送りは勘弁して頂きたいのですがな」
「ははは!よろしゅうございますとも。あなた方が恐れるのも無理ないことです。では、準備が出来次第、失礼させていただきますよ」
「それは、ありがたい」
村長は、ペコリと頭を下げた。それでは、とトーマスは部屋から出ていき、入れ違いに今まで隣の部屋に隠れていた人物が姿を現した。
「村長、参りましょう。司令官からお連れするよう、ご命令を頂いております」
「おお、すまぬな、わざわざ。それにしても、あの青年がのう…世の中不思議な事があるものじゃ」

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文責:楠 尚巳